第3回の講師は社会福祉協議会の渡部佳代子先生。主任介護支援専門員としてケアマネージャーとしても活躍されています。渡部先生は開口一番「今日の授業の目標は『円熟した高齢期を迎えるには』ですね!」と、私たちのスケジュールプリントで全員に確認を求めました。そうです!
今日は介護のお世話になる時期をいかに遅らせるか、そのために何をすれば良いのかを学習しました。
平均余命を考慮すると、増大する福祉予算をなんとか抑えるために、国は国民の健康寿命をなんとか延ばしたいのです。ところが、この2年間はコロナで介護認定が増えてしまいました。家に閉じこもって人と会わない、コミュニケーションが少なくなり気持ちがどんどん沈む。フレイルが進んで筋力は低下。自宅内で骨折する人が増加…。
とにかく運動、活動が健康維持には欠かせません。高齢者、特に男性には家事支援の依頼から入りましょう。旦那さんにごみ捨てを頼んだら、行って帰ってくるだけでなく、そのままワンブロック歩いて来るように。1日5分歩くだけでもそれによる筋力運動が大きな効果をもたらすんですって!
ここから先生の資料「元気で長生き十か条」にしたがって、各自チェック開始。
① 活発な社会参加…知的な能動性(創作、探求、余暇活動などの活動力)が乏しくなると生活の手段的自立(乗り物利用、買い物や食事の用意など)を傷害させやすいのだそうです。逆に社会活動性(家族や知人などとの交流)の高い人は自立低下しにくいのだと。
② 主観的健康感…自分は健康だと感じている人ほど長生きするそうです!「もう歳だから…」は禁物。脳の老化を加速させる危険因子です
③
足が丈夫である…低下しやすい筋肉は膝、そして背中。歩幅を広く速く歩ける人ほど元気で長生きできるのです。
④ 短期の記憶力…脳の神経細胞は1,000億個。これらがつながってできているネットワーク。細胞は加齢により減少し、使われないネットワークが消滅するんだそうな。防止のためには新しいことに挑戦することです。
⑤ 中くらいの太り方…BMIの適正値は22前後。上限値24が寿命、病気予防の点から最も良い中くらいの太り方だそうです。21より低い人は危険度が1.5倍高くなります。
⑥ 血清アルブミン値…これが低いと栄養が低いと診断される。若いころの体形がそのままであればよいそうです。脂肪と筋肉のバランスが重要で、BMIの数値ばかり気にし過ぎてやたら体重を落とすと筋肉が落ちてしまうのです。
⑦ 血清コレステロール値…これは高すぎず低すぎず。コレステロール⇒動脈硬化⇒悪モノというのは誤解だそうで、危険因子の一つにすぎず、高血圧、糖尿病、運動不足、肥満、喫煙などと同列です。コレステロールは高すぎても低すぎても高齢期の余命を短くするんだって!
⑧
お酒は飲みすぎない…日常生活動作の加齢による低下は、飲酒習慣のある人が最も少ないのだそうです!
⑨
血圧も高すぎず低すぎず…動脈硬化の危険因子。塩分、運動不足、肥満、遺伝、加齢…などが原因。自分に適した運動の継続と食事(カリウム含量多い野菜や果物)で予防。低血圧も危険!
⑩ タバコは吸わない…非喫煙者に比べて死亡する危険度が高くなります。肺疾患20倍。喉頭がん32倍。肺がんは4.5倍。
こうした先生の解説を聞きながら、皆さんはチェック点数を確認。ほとんどの受講生が5点以下の正常値でした(^^♪
リフレッシュタイムでは、当番の2班・Оさんから、簡単な5分間筋トレプログラムを教わりました。今日の学習にピッタリでしたね。
後半は介護保険制度の学習。なかにはご家族が介護保険を使った経験のある方もいましたが、先生からはまったく初めての方を対象に概要を説明してもらいました。皆さんこれまでせっせと保険料を納めてきたのですから、自分の番が来た時にはありがたく使わせてもらいましょう。65歳以上は誰もが介護保険証を所持しています。使うことは何も恥ずかしいことなどありません。高齢者なんでも相談室を上手に利用して、やがては私たちが介護保険を使うことに。そのために、高齢者支援課からもらった「みんなのあんしん介護保険」を熟読し、制度をよく知って理解しておきましょう。