この日の学習は「電気の正体を探る」として電気ブランコを工作します。参加者は午前と 午後の部合わせて29名(小4~中1)。応募総数は午前午後合わせて89 名にのぼりました。(抽選で決定)
講師は電力中央研究所の吉光司先生。そして稲田恵美子さん・田中琴野さん、さらに樋口靖さん・白石哲朗さん(電力テクノシステムズ)の4名が実験助手として来館してくれました。
性質を学ぶため、吉光先生は次から次へと各種の実験を見せてくれます。電気が目の前でつくられる様子や、子どもたちが引っ張っても決してはがせない強力な磁石(ネオジム)など、児童・生徒たちは電気と磁石への興味を強く惹かれていきます。
昨今の電力不足を考えると、「電気は貯めたらいいんじゃないか?」と先生は問いかけます。「自然界の電気に雷があるよね。これは貯められないのだろうか?
雷の電力は最大2億ボルト! フランクリンという科学者が実験で初めて雷が電気であることを発見しました。その実験のマネして感電死する人もいたんだって。雷雨の時に木の下で雨宿りは危険だから覚えてね!」
数多くの実物実験を見せられて、なんとなく磁石とコイルで電気が生まれることがわかってきます。
発電機とモーターの関係も学びます。豆電球とLEDとを手回し発電機で点灯させると、LEDがいかに省エネかがよくわかります。また、蒸気の力で羽根車が回るのを見て火力発電のしくみを目の前で理解できました。
さて、今度はエネルギー資源の話。東京湾には石油や液化天然ガスを積んだたくさんのタンカーが3つの基地に集まってきます。吉光先生は「この地下資源は世界中であとどれくらい残っているのだろうか?」と問いかけます。「その量は富士山を逆さにして器を作ったとしたら何杯分になる?」と。答えはなんと1杯にもならず、約1/5に過ぎないのです。石油はあと50年でなくなるといわれています。「中国やインドがもっと石油を使い出すと、50年かからずに枯渇するだろうね。石油がなくなれば飛行機が飛べない。パリまで出張するには船で往復2か月の旅になる。しかし、みんなが大人になるころには、水素をエネルギーとした次世代型静粛機が発明され、パリ出張は日帰りも可能になるだろう!
若いみんなは地球温暖化のことも、そしてエネルギーの未来のことも考えて生活していこうね」。電気エネルギーと資源の問題に、子どもたちはしっかり着目しました。
後半は電気ブランコの工作です。手順はスライドで示された手順にしたがって、吉光先生はかなり早いテンポで小学生には明らかに早いのでずか、みんな懸命についていきます。稲田さんたち実験助手に加えて、公民館コーディネーターも懸命にサポートして、全員がヒヨコをブランコに載せて楽しく揺らせてあげることに成功。磁石とコイルによって電気が生まれることを実習で確認できました。