7月29日のアビコでなんでも学び隊は「メダカのひみつ」。参加者は応募総数71名から抽選で決まった16名(小4~中1)です。
講師の尾田正二さんは東京大学大学院で最先端の生命科学を研究する先生です。JAXAが国際宇宙ステーションでメダカを飼育する実験を行ったとき、JAXAの研究員としてそのメダカを提供したのが尾田さんでした。
遺伝子組み換え技術による色素細胞の活用で、発生メカニズムや生態を観察し、知られざるメダカの日常生活を解明していくのです。その結果、メダカは人間と同じく環境に左右されつつ前向きに生きている生き物であることが明らかになったというお話。
特にJAXAの研究員として宇宙メダカの分野を担当し、長期間の飼育でメダカが放射線によってどう影響を受けるのかという研究に従事。JAXAから「宇宙へ連れて行くメダカは元気で健康なメダカを」と求められたのです。健康なメダカとはどう判断するのか? そこで、研究室内の飼育、屋外での飼育をそれぞれ徹底して観察。外見の透明感、動きのキレあるなし、個体同士の関係の問題、朝起きて夜寝る! 自律神経、心拍などを映像で分析した結果、人間と同じ交感神経、副交感神経があって、ドキドキしたり落ち着いたりする。ビックリするとヒレの動きが早くなるし、死んだふりもする。それは胸ビレの動きでよくわかります。与えられた条件と環境のなかでメダカは懸命に生きていることがよくわかります。
【尾田先生から皆さんへ】
研究室のメダカと外飼育のメダカとを比較すると、研究室のメダカは脂肪肝となり不健康。動物の体は食欲が満たされることを想定していないのです。メダカは日本の自然環境から切り離すことはできないのですね。
世界はつながった1つのシステム。だから壊れないようにしよう。生き物は美しい。一生懸命生きているからです。大切にしなくてはならないものを美しいというのです。皆さんも「いただきます」「ありがとう」を言って自然に感謝して生きていきましょう